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マリンコングの森が消えた!

 私が現在住んでいる所は、JR浦和駅から2Kmぐらいはなれた住宅地で、今から46年前(つまり私が生まれた年)に越してきました。
 子供の頃は、まわりは雑木林や防風林、畑があってかなり田舎っぽくのびのびと遊んでいました。
 
 ちょうど小学校2〜3年生の時、ある強烈な''夢''を見たのです。
「マリンコング」という怪獣が襲ってくる夢でした。「マリンコング」とは、当時TVでやっていた怪獣もので、たぶん「ゴジラ」のTV版という感じで、子供にとっては「はかりしれない恐怖」でした。 今から思えば怪獣自体のぬいぐるみもチャチくて、「何であんなのが怖かったのだろう?」と思いますが・・・。

 その当時から、私の家の南側(ずーっとゆるい斜面で低くなっていく)の300mぐらいのところに、「鬱そうとした森」があるのです。その森は、家の2階からずーっとよく見えたのです。鳥がさえずり、竹がざわつき、何が住んでいるのかわからないような、それでいて皆で探検ゴッコもやった森です。
 夢の中で、その「鬱そうとした森」から「マリンコング」の上半身が現れたのです。そしてこちらの方をギョロッと見たので、追いかけてくると思い、私は家の方に向かって必死に逃げ始めました。しかし逃げる途中、誰かが道に生えている雑草で輪っかの「ワナ」をしかけたので、それにつまずいてなかなか逃げられません(もしかして、わざとワナに足をかけてつまずいたのかもしれません)。

 先日、犬の散歩で久し振りにその森の方へ行きました。
 すると、なんと、いきなりその森がなくなっているではありませんか? あの「マリンコングの森」が・・・!
 竹も、大きな樹も、鬱そうとしたツルも、根こそぎなくなっていました。
 
 景色が変わってしまいました。
 向こうがまるみえです。
 見えなかった向こうが見えると、思い出もガラガラと崩れてしまうようで、私は口を開けたままです。

 ボブ・ディランが歌っていました。
 「時代は変わっていく」と・・・。

 マリンコングの森はいわば最後の砦のような存在でした。私にとって、生まれた土地の、心の中の故郷だったのでしょう。

 森の隣には、つい最近大きなマンションができました。きっとそこにも新しい住宅ができるのでしょう。

「見沼竜神まつり」の竜です
(2001年5月6日撮影)