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川上薬店創立50周年を迎えて

 

昭和30年3月に私は生まれました。そして翌月4月に川上薬店は創業しました。
つまり、私の50歳の誕生日と川上薬店の創立50周年がいっしょにやってきました。

川上薬店は、最初は薬剤師さんを雇い、お店は母がやっていたみたいです。父は東京の薬問屋に勤めながら薬種商の認定試験を受け合格しました。その当時は東京で試験を受けると、1年間東京でお店をやらなければならなかったので、十条に仮のお店を出して、1年間営業して、それからお店をたたんで、やっと今の地で自分のお店とすることができたそうです。
その後は姉が薬種商の試験を受けて許可を得ました。そうして川上薬店は、父、母、姉の3人の力で昭和の高度成長期に乗って繁栄しました。

その間私は、放蕩息子でやりたい放題でした。中学生までは漫画家かデザイナーになりたいと思っていました。高校に入るとやはり親の勧めで、薬科大学に行って薬剤師になる道を進もうとしていたのですが、高校3年生のときに、浦和の玉蔵院というお寺の境内で、早稲田大学の学生劇団(桃色館)のお芝居を観てしまったのです。相当の刺激でした。前からやや目立ちたがりやのところがあった私は、大学に行ってお芝居をやりたいと強く思うようになり、日本大学の芸術学部の演劇科に入学してしまいました。父はやや寂しそうでしたが、「歌舞伎の馬の脚の役でもできればいい」と言って許してくれました。

大学卒業後、薬の問屋に勤めたのですが、その半年後父が脳梗塞で倒れてしまい、私は退社してお店を手伝うようになりました。23歳のときでした。それから27歳で結婚して子供も2人生まれ、はやり自分の資格でお店をやるようにならないとと思うようになりました。そして35歳のときに、私も薬種商の認定試験に合格し、姉からお店を譲り受けました。薬屋のことは父にも教わる機会がなかったため自己流でしたが、「漢方」に出会って変わりました。多くの先輩たちに出会い影響を受けました。自分も健康や病気で困っている人達の少しでも役に立ちたいと思うようになり、漢方(中医学)を勉強して、相談できるお店をめざし、40歳のとき(10年前)に現在のお店に改築しました。

まだまだ未熟ですが、少しずつ相談するお客様が増えてきました。ありがたいことです。今年で50歳、そして50周年、気持ちも新たに、これからも信頼されるお店をめざして頑張っていきたいと思っています。

昔のお店(昭和34年頃)