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宇宙戦争
 一昨日、大宮で映画の「宇宙戦争」を観ました。
H.Gウェルズ原作の古典をスピルバーグ監督と主演のトム・クルーズなどの俳優達とスタッフが一級のエンターテイメントに仕上げてくれました。

まず驚かされたのは、その場の臨場感とリアリティーでした。ストーリーは異星人が地球を攻めて滅ぼそうとするのから、いかに逃れられるかという単純なものですが、生き残るための親子の絆・家族への思いと、その異星人が操縦する攻撃機械の「トライポッド」といわれるものの恐ろしさがこの映画を盛り上げています。

よくいろんな映画で、大きい怪獣やエイリアンが現れますが、この映画の「トライポッド」といわれる機械は、本当にそこにあるように感じられます。それは人間の目線や心理を巧みに利用しているからだと思います。僕は小さい頃「マリンコング」というテレビ映画を観て、すごく怖かったのですが、それは人間の大きさをはるかに超えた物体が、僕をねらって追いかけてくるのですが、ずっとむこうの方にいたと思ったら、もうすぐ近くにいた!という夢をよく見たのです。その記憶がずっと脳のどこかにあって、それは多分だれでも同じような感覚は持っていると思うのです。それを利用して、絶対的な恐ろしいものが攻めて来る感覚を呼び覚ます展開は、今回の映画に存分に発揮されています。

映画は、その世界に入り込んで、まさにその世界にいる錯覚を覚えるほどのめり込ませれば成功ですが、その仕掛けは驚くほど精密に作られています。最近はコンピューターグラフィックスなどで何でも映像にできますが、それを感じさせないように、実写とブルースクリーン(合成映像)とCGを本当にうまく合体させて使い分けています。映画を作る側は、よっぽど上手にそれらの技術を使わないと、かえって嘘っぽくなってしまうことがあります。この映画は本当に自分がその世界の中に存在するような錯覚に陥ります。

俳優や沢山のエキストラの人々の演技も迫真のものがあり、それもこの映画のリアリティーに付与しています。パンフレットによると、映画を作る段階で、俳優に敵がどのような位置にいて、どういう動きをするのかを、その現場であらかじめ作ったコンピューター画像で知ることができたそうです。そうすると俳優達は、想像しながら演技するにしても、具体的に想像ができて動きなどが嘘で無くなるそうなのです。これもアイディアマンのスピルバーグらしさと感心してしまいます。

異星人やトライポッドなどのデザインもかなり綿密に作られたようです。たくさんのデザイナーが思い思いに書いたものの中から良いところを取り入れて、それらしいものに仕立てていく技術は素晴らしいと思います。これもスピルバーグの頭の中にイメージがハッキリあるからできることなのでしょう。だから映画製作も本当にスムースに進んだそうです。
あの「ET」のやさしい異星人から一転して恐ろしい異星人を描くそのバイタリティーに感心します。

この映画では、自分の家族や子供達のことを考えさせられました。いつ、どんなことが起こるか分らないこの現実の中で、毎日いかに家族を大切にしていくことが人生の大きな要素であるかを教えてくれます。
まだ観ていない方、ぜひ映画館で観ることをお薦めします。どの映画も映画館で観た方が迫力があるのはもちろんですが、この「宇宙戦争」は臨場感と迫力を楽しんで欲しいと思います。
宇宙戦争