コラム目次に戻る


わらしべ夫婦双六旅

 

 昨日(2月14日)、新橋演舞場に行ってきました!毎年2月恒例、中村勘三郎藤山直主演の楽し〜いお芝居。今年の出し物は「わらしべ・めおと・すごろく・たび」。時は大正時代、横浜で雑貨商を営む勘三郎&直美ちゃん夫婦が家を追い出されて、日本全国をサイコロの出た目で行き先を決める旅の珍道中の物語。共演に、ダチョウ倶楽部の上島竜平、もとモーニング娘の矢口真里、映画・テレビで活躍の余貴美子。

 一昨年の「ヨイショ!の神様」、昨年の「殿のちょんまげを切る女」とはちょっと変わって、物語のストーリー性を重視するよりは、それぞれの場面〃で楽しむ感じのお芝居でした。時間も2時間15分ぐらいで2幕だったので、やや物足りない感じがしました。もちろん、勘三郎&直美ちゃんコンビは相変わらずの強力タッグで、2人の場面はどんどん惹き付けられますが、その他の場面は今ひとつ希薄でした。若い俳優さんの力量の問題もあるかもしれませんが、物語の展開の面白さがなかったのも影響しているかもしれません。

 竜平ちゃんはがんばっていたと思うのですが、やはり舞台のお芝居に慣れていないせいか、セリフの出し方が自分の四方5mぐらいにしか届いていない感じです。憎めない楽しいキャラなので、声が3階席に届くようになればもっと輝くと思いました。井之上隆志は前回も面白かったのですが、今回もその演技は光っていました。場面の意味を捉えて、生き生きと表現していました。だから四つの役を与えられたのでしょう。矢口と余はそこそこ有名なので役を演ずるだけで存在感はあるので、それはそれで共演する意味はあるのですが、もう少し頑張ってほしいというか、これからです。

 やはり勘三郎と直美ちゃんの場面は面白い!ふたりの掛け合いにはスリルを感じます。相手に反応する敏感さ、テンポ・リズム、嘘の演技をしたくないという強固な意志!最後のふたりの場面には感激しました。なぜかといえば、僕の席は前から2列目で花道のすぐ横、つまり、僕のすぐ目の前でふたりの掛け合いを観られたのです!「迫力」というか、「ほとばしる役者魂」というか、それと直美ちゃんの愛くるしいこと!感激で涙がでてきて体が震えました。

 そのせいか、そのすぐ後のエンディングで、僕は自分の頭の上に手作りの「サイコロ」(10cm角2個)をカチューシャにくくりつけたものを着ける予定だったのですが、タイミングを逸して付けらませんでした。前回の「ちょんまげを切る女」では、手作りの「ちゃんまげ」を着けて勘三郎さんと直美ちゃんに見つけられお辞儀をされた素晴らしい体験があったので、今回もそれを狙ったのですが、あえなく沈没!カーテンコールで幕がもう一度開いたら着けようと思い直したのですが、幕が1回閉じたらお客さんの拍手は止んでしまい、できず仕舞でした。
残念でしたが、ふたりの素晴らしい演技を目の前で観られた感激は、何者にも替えられない贈り物です!

ありがとう!


演舞場前でサイコロを頭につけてほーける川上