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元禄めおと合戦ー光琳と多代ー

 

 8月24日、明治座にて、藤山直美・中村梅雀主演の「元禄めおと合戦ー光琳と多代ー」を観てきました。席は1階1番前列の真中の少し左寄りで役者さんが目の前に見える所です。

 ときは江戸時代の元禄期、あの有名な絵師・尾形光琳(中村梅雀)とその妻・多代(藤山直美)の波乱万丈の人生と夫婦ぶりを描いた物語です。
 光琳は京都の大きな呉服屋の次男坊で、苦労知らずで育ったいわばボンボン、若い頃から贅沢三昧の生活を続け、数々の浮名を流し、それぞれ別の女性に4人の子供をもうける勝手空き放題の男です。その反面、絵師としての才能は高く、公家から武士の役人、はたまた江戸の商人まで、人気は当代きってのものでした。

 そんな男に嫁いだ多代はしっかりものですが、お金と女に本当に苦労させられます。奉公人の15歳の女の子に光琳が手を出してできた子供を、我が子と思い育てて養子に出し、その奉公人を娘と思い嫁に出し、役人の妾に手を出して子供ができたときは、家屋敷を担保に光琳が勝手に借りたお金を手切れ金として払って光琳の尻拭いをしたのです。
 そりゃぁー堪忍袋の尾が切れるでしょう!直美ちゃんの18番です!どんな感じで光琳をとっちめるかと思いきや、意外とやさしいんですね〜??もちろん、悔しい場面では直美ちゃん独特の恐〜い顔もありましたが、泣いて、我慢して、夫に付いて行くんですよね。これが少し物足りなかったです。
 ただ何回かこれだという場面はありました。女遊びのツケをいつも自分に押し付ける光琳に対して、光琳の書いた下絵をビリビリと破り、光琳に投げつけ、果てはその紙で鼻をかむ!というクダリは面白かったです。

 直美ちゃんの演技はやはり光っていました。立ち姿のひとつひとつを大事に工夫していたし(わざと後ろ姿で立って演技したり)、台詞のひとつひとつを大事に噛みしめて表現していました。だから不思議と観ている方も泣けてきてしまうのです。あれは本当に上手だと思う。台詞や状況への理解度と表現力がマッチしないとできない芸当でしょう。
 中村梅雀はそれなりに上手でした。役が道化師的なヤンチャ男の役でしたから、NHK大河ドラマの井伊直弼みたいに重厚な演技は見られませんでしたが、的確な演技でした。
 岡本健一はあまり上手とは言えませんが味のあるところを見せていました。松金よね子もひょうきんな役を面白く演じていたので好感が持てました。

 今回のお芝居の題が「めおと合戦」で、主演が直美ちゃんと中村梅雀ですから、どんな夫婦喧嘩が展開されるか楽しみにしていたのですが、合戦も穏やか?で意外と仲の良い場面が多かったのには肩透かしを食いました。今度はできればプロレスまがいの激しいめおと合戦を観せてもらいたいものです。(笑)




明治座の外から。のぼりが印象的です。


ポスター。芝居がはねたらこれ1枚ほしいなあ〜


明治座の中。緞帳がきれいでお客様も満員でした。