(7)腎・泌尿器疾患頻尿排尿困難《膀胱炎・血尿》夜尿症精力減退


頻 尿

 頻尿とは、尿の回数が通常の範囲(本人にとって)を超えて多く、不快に感じることです。急性の頻尿はおもに膀胱に関係し、慢性・反復性のはおもに腎に関係しています。

急性の頻尿
急性の頻尿は、外邪の侵襲(ウイルス・冷えなど)により残尿感があったりすぐにトイレに行きたくなったりします。

ケース

症状

治療方法

膀胱湿熱(膀胱炎  排尿困難(尿の出が悪い、少ししか出ない)、残尿感、排尿後痛む、尿道の灼熱感、尿の混濁(血尿)、口渇があったり、発熱する時もある。 清熱利湿(小便の出を良くして湿と熱を除く)
寒擬(冷え  寒いところにいた、尿が希薄で混濁がない、下腹部や下肢の冷え 温中散寒(お腹を温めて冷えを除く)

慢性・反復性の頻尿
慢性・反復性の頻尿は、腎の機能不足や潤い不足が原因です。

ケース

症状

治療方法

腎陰虚(ほてりのある人  頻尿、尿失禁、尿が漏れる、頭のふらつき、耳鳴り、腰や膝がだるく力が入らない。尿が濃く少ない。頬部の紅潮、口の乾燥、体の熱感、のぼせ、手足のほてり、寝汗 舌質:紅 舌苔:少ない〜なし 滋陰清熱(腎の潤い・精を増やしてオーバーヒートの熱を冷ます)
腎気不固(尿失禁  頻尿、尿失禁、尿が漏れる、頭のふらつき、耳鳴り、腰や膝がだるく力が入らない 益精固腎(腎の精を増やして、尿が漏れないように引き締めの力を強める)
腎陽虚(寒がり  上記の症状に夜間頻尿、多尿、尿量が多い、元気がない、四肢の冷え、寒がる、むくみ 舌質:淡白 舌苔:水様 温補腎陽(腎の精を増やして、体を温める力を補助して腎の働きを助ける)


◆腎・泌尿器疾患項目◆頻尿排尿困難《膀胱炎・血尿》夜尿症精力減退


排尿困難《膀胱炎・血尿》● 

 排尿困難とは、尿の排出が円滑でないことであり、排尿に時間がかかったり、痛んで排尿しにくかったり、はなはだしければ排尿ができないなどの状態もあります。

急性の排尿困難

ケース

症状

治療方法

膀胱湿熱(膀胱炎  排尿痛、尿意促迫(すぐに行きたくなる)、残尿感、尿の混濁(血尿) 清熱利湿(小便の出を良くして湿と熱を除く)
少陽枢機不利(原因不明の場合  排尿がすっきりしない、尿量が少ない、微熱、口が苦い、胸脇部が脹る、むかつき、食欲不振、めまい、イライラ、むくみ 和解少陽(体内の水分代謝の調整をする)
肝鬱気滞(ストレス  排尿がうまくできない、残尿感、尿意促迫、イライラ、憂鬱、怒りっぽい、ヒステリックな反応、胸脇部が張って苦しい 疏肝解鬱・理気(自律神経の働きをスムースにして小便を出す)
水湿(むくみ・吐き気  口渇、尿量減少、むくみ、吐き気、下痢、めまい感 淡滲利水(水分代謝を良くして小便を出す)

反復性・慢性の排尿困難

ケース

症状

治療方法

気虚不運(疲れやすい人  排尿に時間がかかる、尿の出の勢いがない、まれにボトボト漏れる、元気が無い、疲れやすい、息切れ、下腹部の下墜感 益気・通利小便(元気をつけて小便の勢いをつける)
腎陽不足(寒がり・夜中のトイレ  排尿が困難、腰や膝がだるく無力、耳鳴り、頭のふらつき、尿意はあるが排尿できない、排尿の後に尿が滴下、尿失禁、夜間頻尿、元気が無い、寒がる、四肢の冷え、むくみ 舌質:淡でぼてっとしている 下苔:うすい水様 温補腎陽(腎の精を増やし体を温める力を補助する)
腎陰不足(ほてり・更年期以降  上記の症状(■色)に加え尿が濃く少量、頬部の紅潮、体の熱感、手足のほてり、寝汗、むくみ 舌質:紅 舌苔:少ない〜無し 滋陰清熱(腎の精・潤いを増やしてオーバーヒートの熱を冷ます)

血 尿

 血尿は、目で見てすぐわかる血尿と検査してみてはじめてわかる微少な血尿と2種類あります。目で見てすぐわかる血尿は、原因がはっきりしていることが多く、西洋医学でも漢方でも比較的治療しやすいです。しかし、検査ではじめてわかる微少な血尿は、原因がわかりにくい場合が多いです。
 漢方(東洋医学)では、「脾」の「固摂作用」(血液が血管から漏れでないようにする働き)の低下と考え、治療法がきちんとあります。病院で原因がわからない血尿は、漢方薬で治療してみるのもひとつの方法です。


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夜尿症

 夜尿症とは、夜間睡眠中に尿を漏らすことであり、三歳以下の小児では病態とは言えません。尿が漏れるのは、膀胱の「約束」(たばねてしばること)の機能が低下しているためです。子供の夜尿症は少し時間がかかりますが必ず治りますので、お母様方は心配なさらずにあせらないで下さい。以下にタイプ別の症状と治法を示しますので参考にしてください。

タイプ

症状

治療方法

腎虚(発育不全の幼小児  おしっこが近い、夜尿と共に普段ももらしやすい、発育不全、未熟児、体温が低いまたは足がほてる、疲れやすい、元気がない 四肢が冷えるタイプ→温補腎陽(体を温めるエネルギーを増やす)
手足がほてるタイプ→滋陰清熱(腎の栄養を増やし熱を冷ます)
腎虚(老化で起こる場合  足や腰がだるく力が入らない、尿失禁、頻尿、頭のふらつき、耳鳴り、夜尿、四肢の冷えまたは手足のほてり、口渇
気虚(小児の夜尿で元気不足  夜尿と共に、元気がない。息切れ、物を言うのがおっくう、食欲不振、疲れると夜尿する傾向がある 益気固渋(胃腸や体全体に元気をつけておしっこが漏れないように引き締める力をつける)
脾虚・気血両虚(小児で上記以外)  やや疲れやすい、時々お腹が痛くなる、おしっこが近いときもある、神経質な子供、顔色が悪い、食が細い 温補脾胃・固渋(胃腸を温めて元気をつけておしっこが漏れるのを防ぐ)


◆腎・泌尿器疾患項目◆頻尿排尿困難《膀胱炎・血尿》夜尿症精力減退


精力減退

 精力減退は、年齢と共に少しずつ進むのは誰でもあることですが、急に減退したり本人が思うよりも減退の速度が速まった場合は何らかの疾患や機能不足が考えられます。大きく分けると、次の3タイプに分けられます。

タイプ

症状

治療方法

腎虚(老化タイプ  年代としては50歳を過ぎて、勃起不能、持続力低下などの症状が顕著。腰痛、腰が疲れやすい、元気がない、その気にならない、などいわゆる精力不足

補腎益精(腎の精を増やし元気をつける)

このタイプの方に、良く効く漢方薬があります。

肝気鬱血(神経質タイプ  年代は若い人でも起きる、イライラ、怒りっぽい、憂鬱、胃の調子が悪い、便がスッキリ出ない、お腹や胸脇が脹る、疲れやすい

疏肝解鬱・理気(自律神経の働きをスムースにして本来の働きを取り戻す)

このタイプの方は、ストレス発散の工夫が必要です。

脾胃湿熱(不摂生タイプ  肥満、暴飲暴食、便秘またはベチャっとした便、体が重だるい、深酒をしたり無理をして体の代謝が滞ってしまったタイプ

精熱解毒・利水(体にたまった余分な水分とヘドロを除く)

このタイプの方は、飲食の不摂生を直さないと効果がなかなか現れません。


◆腎・泌尿器疾患項目◆頻尿排尿困難《膀胱炎・血尿》夜尿症精力減退

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