腰の痛み、関節痛、首・肩の痛み、神経痛など
痛みと中医学(漢方)
腰に限らず痛みというのは辛いものです。
たいていの痛みについては解熱鎮痛剤や抗炎症剤の服用、電気療法や鍼灸で良くなることが多 いと思います。 しかし、中には病院へ行っても良くならない、検査しても原因が分からないという痛みが存在します。中医学ではそんな痛みに対しても原因を考えてお薬を処方することにより改善する例も沢山あります。
中医学で考える痛みの治療のポイントは以下のことです。
(1) 痛みを引き起こす原因を他の症状と併せて導き出す。
(2) 痛みの性質を把握する。
(3) 痛みの部位を把握する。
(4) 痛む時間(天候・朝昼晩・継続時間)
(5) 病気の段階性(部位の深さ・浅さ、病状の重さ・軽さ)を把握する。
※端的にいうと「いつ、どこが、どのように痛むのか?どんなふうにすると痛みが増し、痛みが楽になるのか」ということが解ると治療方法を導き易くなります。
腰 痛
腰痛では、「ぎっくり腰」のような急性のものや、椎間板ヘルニア・脊椎分離症など外科的に原因がはっきりしているものもありますが、約50%は原因不明のものと思われます。しかし、漢方薬は「急性」、「慢性」にかぎらず、原因不明の腰痛にも対応できます。
また、東洋医学では「鍼」、「灸」、「整体」、「温泉療法」など有効な手段がいろいろあり、これを併用すると効果的です。
タイプ別にみる慢性の腰痛
腰痛のタイプ | 原 因 |
腰部の冷痛、重苦しい、活動不自由、曇りや雨の日に腰痛がひどくなる、 腰部を暖めたりもんだりすると痛みが軽減する。 |
冷えや湿気による |
腰部を刺すような痛み、痛いところが固定しており、活動の不自由、 痛いところの皮膚が青紫色になる。 |
血液がひどく滞る |
腰から脇肋部に疼痛がおよび、緊張やストレスのよって誘発されたり増強し、 肝気の昇発する夜明け頃に疼痛が強くなる。 |
ストレス、緊張 |
腰部が硬く、活動が不自由、痛みは疲れると増強する。 | 長時間の重労働 |
腰痛、腰部の活動不自由、しばしば腰や下肢の脱力感、腰が疲れやすい、 ちょっと仕事をすると腰が疲れて痛くなる。寒がり、四肢の冷え、夜間の頻尿などを伴う。 |
長年の腰痛で寒がり |
腰痛、腰部の活動不自由、しばしば腰や下肢の脱力感、腰が疲れ易い、 めまい、手足のほてり、潮熱、寝汗などを伴う。 |
長年の腰痛でほてる |
当てはまるタイプはありましたか?
また、一見するとほてるタイプでも、お話を聞いていくと実は寒がりのタイプの漢方があっていたりすることもありますので、しっかりお話をお伺いしてから漢方を処方させていただきます。
当店の症例
症例①(40代・女性)
主訴:右腹部、右前頭部、右背中、右足裏側面の痛み
経過:6年前に子宮筋腫で全摘手術。その後、卵巣嚢腫が見つかり、2年後卵巣破裂してしまい手術。
それ以来、右腹部、右前頭部、右背中、右足裏側面に痛みが走るようになる。
現症:食欲・便通は普通。毎日、お腹が張って右肩が凝る。天気が悪くなると痛みが強くなる。
口唇脇が暗い色で、舌の裏を見てみると右静脈が黒ずんで膨らんでいる。
弁証:手術後の後遺症として、悪い血液が停滞して血液循環を阻むために痛みが出ています。痛みが全部右側という理由は
右卵巣摘出患部にその大元があると考えられます。
治法:気の流れを良くして悪い血液を除き、癒着した血液の塊を溶かして除く漢方薬を処方
服用経過:1か月後、肩とお腹の詰まりが少し通った感じがする。
2か月後、痛みが気にならなくなってきた。
5か月後、頭痛、お腹の痛み、背中の痛みはなくなった。口唇と舌裏の状態も改善する。
その後、予防のために飲みたいということで量を調整して継続しています。
症例②(40代・男性)
主訴:慢性腰痛
経過:10代のころから腰が悪い。右足のふくらはぎが攣る。右足の甲と裏がしびれる。
座ってパソコンをやる仕事で疲れたり、季節の変わり目や、くしゃみで悪化することが多い。
現症:顔色・食欲・便通は普通。ただデスクワークが多いので、通勤など歩くことを心がけている。
弁証:先天的に少し体が弱く、エネルギー(気と血)を十分に作り出し巡らせることができないので、寒・湿の影響を受けやすい状態
治療法:気血を補い、筋骨をしっかりさせ、湿気や冷えが侵入しないように体を温めて血液循環を良くする。
服用経過:1か月後、しびれが常にではなくなった。
2か月後、だいぶ良い。しびれは良い時とそうでない時とある。
4か月後、ほとんど良い。腰痛もしびれも改善。現在も予防で継続服用中。
また、その他の痛み(頭痛、変形性膝関節症、慢性関節リウマチ、坐骨神経痛、三叉神経痛、肋間神経痛、関節痛〔膝・ひじ・肩・手首・足首・股関節〕、原因不明の痛み)に対してもしっかりと問診をし、あなたのお悩みを改善して健康な毎日を送るお手伝いをさせていただきます。