お客様は、4歳のころから肘・膝裏に出るようになり、現在は全身に広がってしまいお悩みとのこと。
「赤く小さいポツポツが出て、熱くて痒くて辛い」
痒みが出てしまうと夜も思うように眠れず辛いですね。
顔はさほど赤くなく、首・胸・肩・腕・太もも・腹部・膝裏が赤く痒い。
現在は病院で「消風散」が出ていて飲んでいるが、なかなか良くならない。
病院ではなく漢方薬局で相談してみようと思い当店にご来店いただきました。
アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患は漢方薬の得意分野です。
子どものころから手足が冷たく、体温は35,5℃。
顔色は普通で食欲も普通。
たまに下痢をしてしまい、生理前に痒みがひどくなる。
舌を拝見すると、胃腸が弱く、熱エネルギーが足りず体の中に「水・湿」を抱えてしまっている状態でした。
「陽虚による陰盛格陽」と判断し、麻黄附子細辛湯・扶陽理中・白虎加人参湯を処方しました
来店いただき、丁寧に症状を伺いました。原因は、「陽虚による陰盛格陽」と判断し、麻黄附子細辛湯・扶陽理中で陽気を補い体の熱エネルギーの底上げをして、今出ている痒み・赤みに対して白虎加人参湯を服用していただくように処方いたしました。
体質虚弱の人の風邪薬やアトピー性皮膚炎の治療薬として使う漢方薬です。
胃腸が弱く、冷え症の方の様々な症状に幅広く用いられる漢方薬です。
経過
服用後1か月・・・少し良くなった気がする(3割程度改善)
服用後3か月・・・だいぶ良くなって痒みも減った(5割程度改善)が、膝の裏がカサカサして指に小さいポツポツが出てきた。
この段階で治療の処方を「麻黄附子細辛湯」「陰陽調和」に変えて完治を目指します。
服用後6か月・・・症状が9割以上改善し、ほとんど痒み、赤みも無くなった。
アトピー性皮膚炎に関してのアドバイス
この方は小さいころからのアトピー性皮膚炎でお悩みの方で、ご来店いただいたときは首や腕・背中など広範囲にわたって赤みが出てしまっている状態でした。
現代においてアトピー性皮膚炎には先天的に熱エネルギーが不足している方に多く見られ、生まれた後も冷たい飲食物などを取りやすい生活環境にあることから、患者が増加している疾患です。
アトピー性皮膚炎の治療において大切なことは飲食物です。
冷たい物を摂り過ぎない、過剰に水分を摂り過ぎない(1日2リットルは真夏に飲むべき量です)。
油もの、スナック菓子、ケーキ類などの油分の過剰摂取を控える。
薬味香辛料を積極的に使用する事などです。
他にもアトピー性皮膚炎を悪化させる要因としてストレスがあります。
なるべくストレスをためない生活を心がけましょう。
また、日々の洗顔などのスキンケアも、なるべく肌への刺激が少ない物を避け、保湿をしっかりしてケアしていくことが大切です。
病院で良くならなかった方、長年アトピーに悩まされている方、漢方薬で改善してみませんか?