2023年1月~肩が痛くなり始め、ストレスがあったり考え事をしたりすると悪化してしまったり動悸が起きてしまうので漢方薬を試してみたいということでご来店されました。
この方の状態としては
・疲れやすい
・冷え性
・精神不安(イライラ・不安・憂鬱感)
・まぶたが重い
・首や肩がこる
・月経の周期も乱れがち
という事でした。
動悸や肩こりは漢方薬で治るの?
以前の記事でも書いたことはありますが、動悸や肩こりのことを中医学で見るといろいろあります。近年当店にお見えになるお客様の多くは「血虚」であるが故に「心」に影響を与えてしまい動悸や不安感が発症してしまうことが多いです。(詳しくは中医学の基本用語をご覧ください)。
上記のような「血虚」の状態というのは「肝」の働きに影響を及ぼします。
自律神経の調整や体の血液の貯蔵庫である「肝」は血液が十分に無ければしっかりと働くことが出来ません。
「肝」がしっかりしていれば多少のストレスを受けたとしても体に影響を及ぼすことはないのですが、「肝」の働きが弱くなっていると少しのストレスでも自律神経の乱れが出てしまいます。
女性は生理・妊娠・出産・授乳と体から血液を失う状況が常に存在します。
ですので自律神経の乱れや貧血というのは女性に起きやすいのです。
また、「肝」が養えなくなりますと「心」に影響を及ぼします。
「心」にまで影響が及んでしまうと動悸・不安感・不眠などの症状が出てきてしまいます。
この方はストレスを受けると悪化してしまったり、考え事をしたりすると悪化をしたりするという状態でしたので、漢方薬で自律神経の流れを整えつつ血を補給していく治療を行います。
原因と現在の症状に対するお手当ての漢方薬をお出ししました
この方の場合は現在出ている症状を治すためには原因である自律神経の流れを整えつつ「血虚」を治していこうという「標本兼治」の治療方針で漢方薬を処方いたしました。また、効果をより高めるために活血化瘀薬も一緒に服用していただきました。
経過
服用後1か月・・・動悸は無くなって肩こりも少しよくなったような気がする
服用後2ヶ月・・・動悸は無くなって肩こりもよくなった。症状が大分よくなってきたと言うことでしたので、予防のために服用回数を3回→1or2回服用していただきました。
動悸・肩こりに関してのアドバイス
動悸や肩こりは女性に多い疾患です。
この方のようにストレスによって悪化してしまうような場合、背景には「血虚」が隠れていることが非常に多いです。
中には「血虚」は無いけれどもとてつもないストレスにより症状が出てしまうことはありますが、この場合は急性の症状ですので、少しの漢方薬の服用で改善します。
しかし「血虚」が背景にある場合には慢性の経過をたどっているので改善までに少し時間を要します。
血流改善薬などの服用で一時的に改善されることはありますが、薬の効果が切れると症状が出てきてしまいます。
こういった場合には症状の原因である「血虚」のお手当をしてあげないことには治っていきません。
原因に対処してあげることで症状が出ないようにして健康な体に近づけることが本当の治療だと思います。
対症療法を否定しているわけではありません。もちろん今とにかくなんとか症状を抑えたいのであれば西洋薬は非常に有効です。ですが対症療法をずーっと続けていっても根本的な問題が解決されていないので症状は悪化していきます。悪化した症状に対して、より強い薬を使って症状を抑えるという悪循環に陥っていきます。
なので対症療法と並行して漢方薬による原因に対するお手当をしてもらうことが一番本人の負担が少なくすむのかなと思います。
当店では初回のご相談の時には30分~1時間かけてお話をじっくりお聞きします。
その上で患者様の症状の原因は何なのかというのを中医学(漢方薬)の観点から推定してご説明いたします。
それでご納得いただけたら漢方薬を処方させていただきます。
まずはお試しでということであれば10日分や半月分でもお渡しできますのでお申し出くださいませ。
ご自身の事はもちろん、ご家族やご友人の体調のことでも構いませんので是非とも一度ご相談ください。
また、ご来店が難しい方はメールやLINE、お電話でのご相談も承っておりますのでお気軽にご連絡ください。
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