逆流性食道炎と漢方
逆流性食道炎とは?それは漢方で治るの?
逆流性食道炎とは、読んで字のごとく胃酸が「逆流」して「食道」に「炎症」を起こしてしまう病気です。
症状としては、胸やけ・胃のムカムカ・のどの痛み・胸の痛み・胃の痛み・咳・喘息様症状など、胃から咽喉までの様々な器官に影響を及ぼしてしまいます。放っておくと胃潰瘍などの重症になってしまう場合もあるので軽視できません。
西洋医学では
西洋医学では対症療法として、胃酸の分泌過多を抑える薬や食道・胃粘膜の保護の薬を処方して経過を見て、改善が進まないようであれば手術などをして治療していきます。
東洋医学(中医学)では
東洋医学(中医学)では、現在の症状に対しての手当てはもちろんのこと、患者さんの逆流性食道炎の原因となっている部分に対しても手当てをして、正常な胃腸の働きを取り戻す方向で治療していきます。
中医学で考える逆流性食道炎の原因
一言で逆流性食道炎といっても原因は様々です。
西洋医学では「逆流性食道炎ですね。お薬だしておきます。」で終わってしまいますが、中医学ではキチンと原因を突き止めます。
1、季節性の逆流性食道炎
季節の「邪」によって胃が攻撃されてしまうと逆流性食道炎に、酷ければ嘔吐してしまいます。
患者さんの中でも冬になると・・・ですとか、梅雨・夏になると・・・という方はこれに該当します。
2、食べ過ぎ飲み過ぎの逆流性食道炎
生もの・脂っこいものを食べすぎたり、お酒を飲みすぎたりすることは胃を傷つけてしまいます。
こうして胃腸を傷つけてしまうと、飲食したものが消化されず停滞を起こして、ふとした時に上に上がってきてしまいます。
特徴としては便が臭かったり、酷ければ酸っぱい物を嘔吐したりするのがこのタイプです。
3、ストレスによる逆流性食道炎
最近増えてきているのがこのタイプで、ストレスによって胃腸が弱ってしまい、その結果として胃腸が正常な機能を失い逆流性食道炎になってしまうことがあります。
ストレスによる影響でも、怒ってイライラした時と心配事で憂鬱になってしまった時で症状の出方に差が出ることがありますが、原因は一緒なので処方するお薬も一緒なことが多いです。
4、胃腸が弱い人の逆流性食道炎
一番多いのはこのタイプです。
西洋医学では水分をたくさん摂りましょうと言われているので1日2L目指して水分を取られている方も多いと思います。
ですがこのことによって胃腸の機能を損なってしまい、消化しきれなかった・代謝しきれなかった余分な水分などが邪魔をして、胃腸が十分に働くことができず下に降ろすべきものを降ろせず上に上がってきてしまうという方が非常に多く見受けられます。
このタイプの方はまず水分の過剰摂取を止めましょう。
辛い逆流性食道炎・・・何とかしたい!
今や逆流性食道炎の患者数は軽症の人も含めると1,000~1,500万人といわれております。
西洋医学では制酸剤などを使い症状を抑えることには特化していますが、根本的な解決には至りません。
根本の治療をせずに制酸剤のみでの対処をしていると段々と強い制酸剤を使わなければいけなくなり、次第に制酸剤が切れると症状が出てしまうという悪循環に陥ってしまいます。
軽い症状であれば漢方薬のみの服用で症状が無くなることもありますし、人によっては食生活の改善や水分摂取の仕方を変えるだけで症状が無くなることもあります。
まずはご自身の逆流性食道炎がどの原因からくるものなのかというのを、お話をお聞きして判断させていただきます。
症状が起きる原因をご説明させていただきご納得いただけましたら漢方薬の服用を開始して改善を目指しましょう。