心アミロイドーシスと漢方
アミロイドーシスとは?
アミロイドーシスとは、アミロイドと呼ばれる線維状の異常蛋白が沈着して臓器の機能障害をおこす病気です。
アミロイドーシスにはほとんど症状の出ないものもありますが、重い症状や致死的な合併症を起こすものもあります。病気の程度は、アミロイドがどの器官に蓄積するかによって異なり、男性では女性の約2倍発症しやすく、高齢者でより多くみられます。
全身性アミロイドーシスには遺伝性と非遺伝性の2つに大別され、前者の代表的な疾患としては家族性アミロイドポリニューロパチーがあります。これは、トランスサイレチンという蛋白の遺伝子の異常によることが分かっています。非遺伝性の全身性アミロイドーシスとしては、
・ALアミロイドーシス→多発性骨髄腫を含む免疫グロブリンの異常に合併
・AAアミロイドーシス→慢性関節リウマチなどの炎症性疾患に合併
・透析アミロイドーシス→長期人工透析患者に合併
このようにそれぞれアミロイドーシスをおこす基礎となる全身性疾患が存在することが知られています。
脳アミロイドーシスの代表であるアルツハイマー病は高齢者に多く、加齢に伴い頻度が増加します。
原発性アミロイドーシスの患者さんの平均余命は13カ月といわれ、骨髄腫に伴うアミロイドーシスではより短いとされています。心臓、腎臓にアミロイド沈着による障害を来した場合、予後はとくによくありません。
アミロイドーシスの西洋医学的治療
アミロイドーシスの西洋医学治療の多くの場合は症状を和らげる対症療法が中心となります。しかし病型によっては原因療法が行うようになってきています。家族性アミロイドポリニューロパチーでは、主に肝臓が異常トランスサイレチンを産生しているので、肝臓移植が行われています。また、ALアミロイドーシスでは、自己末梢血幹細胞移植を併用した大量化学療法が行われております。これらの治療法は、発症早期に行うことができれば、大きな治療効果が期待できるものと考えられております。更に家族性アミロイドポリニューロパチーでは、ジフルニサルという抗炎症薬を用いた治験が、AAアミロイドーシスに対してはサイトカインを標的とした最新の抗リウマチ薬を用いた治験が行われる予定です。
アルツハイマー病では、現在コリンエステラーゼ阻害薬である塩酸ドネペジルの投与が行われ、症状を軽減し、進行を遅くすることが出来ます。また、ワクチン療法など、脳からアミロイド蛋白を除去する治療法の開発が進行しています。
アミロイドーシスへの中医学的アプローチ
アミロイドーシスはタンパク質の変性を起こしたものです。何故それが起きるのか?中医学的ではタンパク質の合成・代謝・運搬は「気」の気化作用が主り、主に「脾」と「肝」が関係すると考えます。その働きが弱くなったり正常に働かなくなったりすると、余分な代謝できない「痰」として体内に停滞してしまうと考えます。
つまりこの「痰」を生み出さないように予防したり、できた痰を外に除くことを助けてあげればアミロイドーシスが体内に溜まらないようにすることができるかもしれません。
そのためには、消化・吸収・代謝・運搬機能を司る「脾」の機能を元気にしてあげる漢方薬を活用すること、それと共に飲食ではカロリーの高い物の摂り過ぎを注意したり、冷たい飲食を控えて「脾」の機能を衰えさせないようにすることが大切です。
また「痰」が停滞してくると血液循環が悪くなり、「瘀血」を生み出してしまうことがままあります。この「瘀血」が「痰」と結び付いて「痰瘀」となり、体にとって悪い作用をするようになってしまいます。
このときに有用なのが「田七人参」製剤です。「痰」と「瘀」を排出する働きと「肝」の解毒作用を高める作用があるので、タンパク質の変性を防ぐ助けをしてくれる可能性が期待できます。
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難病と漢方
中医学では、現代医学同様に難病と呼ばれる原因不明とされる病と闘っています。
近年では原因療法にも取り組んでいる西洋医学ですが、中医学でははるか昔から原因療法を行っています。
中医学の考えでは「症状を取り除く」だけではなく「本来の健康な状態に戻す」という事も大事にしています。
また、「何故今の症状、病気が発症してしまったのか?」「その原因を作ってしまった要因は何なのか?」という事を、患者様の生い立ちや生活環境などを詳しくお聞きして理解を深め、その患者様の病態を中医学の理論に当てはめ原因を推測し、患者様の体を本来の健康な状態に戻すためにはどういう順序で治療をしていくのが最適なのかを考え、それに従った薬を処方し、一緒に難病改善に向けて歩むことが漢方薬店としての務めではないかと思います。
難病と闘っている方に、病院ではなく漢方薬局・漢方薬店に一度足を運んでみていただきたいと思います。
まずは相談!
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